アートでクルマを再生する MAZDA

更新日:2020年12月11日


マツダは、アートを経営の中軸に据え、成長のエンジンとすることに成功した事例だ。同社は2012年、デザインを刷新。「Car as Art」、つまり「アートとしてのクルマ」の実現を理想に掲げた。


「品質」と「燃費」は優れている一方、デザインやブランド力に劣るとされてきた日本の自動車メーカーの中で、アートを前面に打ち出すことで、世界市場で独自のポジションを築く戦略だ。


マツダのアート戦略を押し進めたのが前田育男氏。1982年に東洋工業(現在のマツダ)に入社。RX-8などのチーフデザイナーを務めた後、2009年にデザイン本部長に就任した。


前田氏は日本のクルマの多くはガンダム型かゆるキャラ型と嘆く。そのクルマがあることで、日本の街並みが美しくなるような、クルマを創るべきだと考える。

日本庭園の完壁な石の配置が生む濠とした空気感と言った日本古来の美意識を、スピリットとして抱いてクルマのデザインに生かしていきたいと考えているという。


前田氏は、本部長就任の翌年、同社のデザインテーマとして「動」「凛」「艶」をキーワードとする「魂動-Soul of Motion」を発表した。


このコンセプトを共有するため、創り上げたのが「御神体」。クルマをデザインするとき、マツダのデザイナーは御神体に立ち返る。この御神体の存在が、マツダのクルマに統一感が生まれる結果をもたらしているといえるだろう。


こうした取り組みがあって、マツダは2012年以降、日本カー・オブ・ザ・イヤーを3回受賞。世界中の自動車から選ばれるワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーも

2016年、2020年の2回受賞した。

コロナ禍の2020年4~6月期決算で、マツダの世界販売台数は各社が軒並み前年同期の半分程度に追い込まれる中、最も影響が小さい3割減に抑えた。マツダのデザインが世界に認められた結果だ。

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